春になったら君に会いたい



俺たちは園内を適当に歩き回った。

遊具エリアでは子供たちに混ざって遊具で遊んだり、疲れたらベンチに座ってジュースを飲んだりしたりもした。


「公園って久々に来ると楽しいね」

「だな。俺はよく来るけど、こんな風に遊んだの久しぶりだ」

「童心に帰るなぁ」

「まあ、俺らも子供だけどな」

確かに、とのぞみが笑ったので、つられて俺も笑う。遊具の方からは子供たちの遊び声が聞こえていた。




「さてと、じゃあ、一番の最後の目的地に向かいますかね」

「え、ここじゃないの?」

俺が立ち上がって言うと、のぞみは驚いた顔をした。その表情を見て、少し得意げになる。


「ここだけど、ここじゃないんだよ」

「なにそれ、どういう意味?」

「行けばわかる」


そして、俺たちは歩き出した。


ベンチから少し歩くと小屋があり、その裏を通り抜けると整備されていない道に出る。
そこからさらに歩くと小さな階段があるのでそこを下り、細い道を歩く。
しばらく行くと、木々が立ち並んで通せんぼをしている所があった。そこは間をうまくすり抜ける。狭いが通れないほどではない。



その木々を抜けた先には……。



「うわぁ……! 花畑だ!」


綺麗な花畑が広がっていた。


「どう?」

「とっても綺麗! ……あれ、でもこんなところにどうして」

「趣味でここで花を育ててる人がいるみたいだ。会ったことはないけど」

「へぇ、素敵だね」



そう、綺麗で素敵だ。

赤、黄、橙、水色、桃色。いろいろな色の花が咲いている。凛としていたり、可愛らしかったり、縮こまっていたり、どれもが美しい。

日に当たって気持ちよさそうにしている花たち。そよそよと揺れる風が花と俺らをくすぐっていく。