_____ガラッ。


白いカーテンで囲まれた、たくさんのベッドが並ぶ保険室内のベッド室。


その中の1番端の方だけカーテンがひかれており、人が寝ていることが分かる。


そこへ行くと、具合の悪そうな顔をした美桜が寝ていた。

熱のせいか額には汗をかいている。

「薬ちゃんと飲んだのか?先生がいるから大丈夫だとは思うが、苦しそうだ………」  


そういえば何か前にもこんなことあった気がするなぁ。

コイツと出会ったのは高等部からだったから、そんなことはないはずなんだが。

もしかしたら、前の記憶で俺は誰かにこんなことをしたのか?

前の俺が……………………………誰かに…………………。

「あ、そういえばスポーツドリンクを購買で買ってきたんだった」

カバンに入れていたペットボトルのスポーツドリンクを横のテーブルに置く。

いつ起きるか分からないが、仕方ねぇから起きるまで待っといてやるか。

近くにあった椅子をベッドの近くに持っていって座る。


……………そういえば最近考えなくなったこと。

それは俺の記憶に関することだ。


事故にあったのは中学1年生のとき。

あれから3年も経った。

医者は一時的なものと言ったが、正直何も思い出さないし感じない。

俺がこれだ!!っと言うものが。

だけど、コイツと出会ってからふとした瞬間に何とも言えないような感覚に襲われる瞬間がある。

今もそうだった。

モヤっとした、懐かしい感覚。

それは昔、こうゆうことをしたからなのか、それともどこかでコイツと会ったことがあるのか。


…………………分かんねぇな。


それと、俺の大切な人。

そいつは元気なんだろうか。それとも、もう忘れたのか。

正直そいつのことを思い出せねぇし、今はコイツといたほうが楽しい。

素でいれる。そして、暖かい気持ちになる。


女と遊んでたときこんな気持ちにならなかったのになぁ………………。

これがハマるということなのか?