「美桜!」


「あ、理沙〜!」


「『あ、理沙〜!』…………じゃないわよ!アンタ、具合悪くて授業降りたって本当!!?」


うわ〜、もう理沙まで情報が漏れてる(笑)

「具合は悪くないよ」

「は?」

「ちょっと説明させて」

________数分後。

「………………なるほどね。教科書を間違えたんだ。アンタ馬鹿ねぇ」

ゔ………………。だって、似てたんだもん。

「そんで、先生に当てられてテンパってたら隣の席に座ってた颯真くんに助けられた訳だ?」

その通りです。

「こうゆうときに限って優しいんだから………。それで、2人で抜け出したあとは颯真くんの部屋にねぇ」

まさか別れ際に誘われるとは思ってなかったけど…………。

四ノ宮さんのこと、もっと知りたいなって…………。

じゃあ、思い出せよって感じよね?こっちからしたら。

その方が手っ取り早いのに。

「でも、今度からはあんま男の部屋に軽々入るのやめた方がいいかもね。今回は大丈夫だったとしても、所詮は男。やましい気持ちがないとは言い切れないわ」

まぁ、確かにキスされかけた…………………。

「記憶ない間に身体を奪われるのも嫌でしょ?お互い」

ゔ…………確かに嫌だ。

思い出したときに、ア"ァ………ってなるやつだ、それ。

「………………気をつける。でも、今回は頭突きで撃退したよ?」

今度も私なら大丈夫っしょ♪

「ふ〜ん……………。されかけたんだ?」

あ…………………。しまった。

「ま、大丈夫だったんなら良いんだけど」

お、よかった。

「仮の話だけど、もし颯真くんの記憶がこのまま一緒戻らないとして、アンタはどうすんの?」

え、どうすんのって……………。

確かに考えたことなかった。

いつかは思い出すんじゃね?って思ってたから。

「今の颯真嫌いって思うときあるけど、それでも変わらないところもあるし。新しい颯真として受け入れ、接しようかなって思ってる」

それしか道はないよね。

「また付き合うかは分かんない。好きかどうかも、もう分かんないけど、幼なじみのときみたいな関係までには戻れたらいいなとは思ってる」


それはそれで、始めからそうゆう運命だったのかもしれないし。

今はもう、知らない別人として颯真をみる。

颯真と幼なじみじゃない関係で接するのは初めてだから戸惑うけど、初対面の人と友達になっていくような感覚で頑張るしかない。