「うわ……………すごい…………」


颯真に連れられて来たリビングは、私の家とは比べ物にならないぐらい立派で、机に並ぶ料理はもはやお店レベル。


「ほら食べろよ」

「うん…………………美味しい!!」


シチューのこの滑らかさ。

単純な作りに見えるのに、旨味成分を考えた配合してる。

きっとダシに力入れてるなぁ。


…………………ん?


「ねぇ、颯真」

「あ?」


「あんた人参ちゃんと食べなさい」

そういえば人参嫌いだったね。給食のときもよく残してたっけ?

「嫌だ」

「嫌だじゃないの。ガキかあんたは。作ってる人が食べれるように上手く料理してるから、大丈夫よ。食べなさい」


「………………………仕方ねぇな」

よし。食べた。

「………………」

嫌な顔しつつも、言ったらちゃんと食べてくれる。

素直なとこもあるなぁ………(笑)


「ふぅ……………ごちそうさま!」

あっという間に平らげてしまった。

だって美味しすぎるんだもん!!


「食った…………」

颯真も完食してる。人参が残っていない、


何だか周りも驚いている様子だ。


「送るよ」

「え?悪よ…………」

「いいから。外暗いし駅まで送る」

「……………………じゃあ、お願いしようかな」


そして、紳士な一面もある。

1人で平気なのにね。

 
「あ、ちょっと部屋に行ってくるから、待ってろ」

「うん」


そう言うと、颯真は部屋へ向かった。