ともかく風呂場を教えてやると、戻ってきた葉山さんから、あの破れたストッキングは消え失せてた。
それはそれで直視するのも、はばかられた。
すぐに脚から目をそらした。
渋っていたように見えても、それでも朝飯を食べることにしたらしい。
いつもは和乃さんだけで静かなキッチンから、何か会話してるのが漏れ聞こえてくる。
並べられて席に着けば、葉山さんも前に座った。
俺が食べ始めたら、「いただきます」とナイフとフォークを手にした。
このテーブルで女性が食事してるのが変な感覚だ。
いつもは男共しかいないから。
和乃さんは誘っても、絶対にここでは食事をしない。
それにしてもいい食べっぷり。
美味そうに食う人だ。
丸二日は食べてないって言ってたし、これじゃ足りないくらいかもな。
俺のを分けてやったら、
「太りそうです」そう言ったけど、こう昨日抱えた感じじゃ、背中から腰にかけても、回された腕も無駄な肉は感じなかった。
もう少しあっても許容範囲なくらい。
見慣れた女優とかアイドルのコは無駄に痩せ過ぎて、色気も削ぎ落としてる気がするし。
まあ、この人にソレを求めるのは間違いだけど。
何を勘違いしたのか知らない、目の前で必死に胸の辺りを隠しだした。
面白い、コントみたいに分かりやすい奴だ。
