下に降りるとキッチンに入って、遅れて和乃さんを手伝った。
 薄いブルーで統一されたアイランドキッチン。
 タイル一枚一枚にもこだわりがあるように見えて、専務の今はここにいない奥様のセンスなのかと思った。

 和乃さんは無駄な動きすることなく調理しながら、キッチンツールや調味料の場所、冷蔵庫の中の食材まで見せてくれた。

 ラインでも指示があった通り、私がこの屋敷で暮らせるよう伝授してくれてるんだろう。

 結局、図々しくも朝食まで頂くことになってしまった。
 メニューはフレンチトーストとサラダにフルーツ、あとはカフェオレ。

 配膳してくれたのは和乃さん。
 二人分を向かい合わせにテーブルに並べた。
 和乃さんは食事をもう自宅で済ませたと言う。

 リビングに背を向ける席に着いのたが圭さん。
 私は必然的にもう一方の、真向かいに着席した。