コガレル ~恋する遺伝子~



 数枚の服の乾燥だけなら、そんなに時間はかからないだろう。
 
 風邪を引かなければいい、案じながらキッチンへ入った。
 電気ケトルで湯を沸かす。
 未開封のインスタントコーヒーが、確かどっかにあるはずだ…

 どこにしまったかを思い出せなくて、思いつく辺りをバタバタと開け閉めしてた。

 その時ふっと、背中に存在を感じた。

 やけに早いな、そう思って振り返った。