「来週の日曜日、和乃さんの送別会に出られませんか?」
俺が箸を持つと、多分さっきの話をもう一度繰り返した。
今度の金曜で和乃さんは家政婦を辞める。
日曜にうちで、ささやかにお疲れ様会をやるそうだ。
親父も准にも確認はできてるって。
日曜の収録はたいてい遅い開始だ。
俺も昼間だったら大丈夫そうだ。
それを伝えたら、嬉しそうな笑顔を浮かべた。
「良かった、真田家が揃ったらきっと和乃さん嬉しいと思いますよ」
泣いたり、怒ったり、へこんだり、喜んだり…
よくもまぁ、そんなに表情がたくさんあるもんだ。
見てて飽きないし、こういう何気ない時間にも穏やかな幸福があることを知った。
目の前で頬杖ついてる笑顔につられて、気づいたら俺も微笑んでた。
