俺の曖昧な表現が、勘違いをさせた。

「…圭さんの二番目でもい…」

 肩を引き寄せて、髪を撫でた。

 馬鹿じゃないの?
 二番目なら、こんなに焦がれない。
 そもそも俺には一番以外はないよ。
 一番以外はいらない。


 あの日、この家に運び込んだ日。
 俺の首にしがみついたこの人がたまらなく愛しくなった。

 ないもの強請りかと思うこともあったけど…違う。
 手に入れて、腕の中にいる今でさえ不安だ。
 この気持ちをどう伝えたらいい?

 額にキスして弥生だけだと言葉にしたけど、全然ダメだ。
 言葉はチープで陳腐。

 それが証拠に出て行く、なんて言う。
 伝わってないと焦りまくる自分が情けない。

 昼までは俺が出て行くつもりだったのに、今は連れ出そうとしてる。
 それなのに一緒に来ないと言うから、この家に留めるしかない。


 秘密でもいい。
 一緒にいられるなら。
 弥生に触れられるなら、今はそれで構わなかった。