コガレル ~恋する遺伝子~



「見ないの?って、逆に兄貴の恋愛ドラマ見る弟って気持ち悪いでしょ?」

「そうなの?」

「真顔で聞き返されても、答えに詰まる」

 准君は苦笑いした。

「先週の続きが気になるんだけど、准君の部屋で見たらダメかな?」

「嫌だよ、そこで見なよ」

 顎で示されたのはリビングのテレビ。
 このお屋敷の中にテレビは、リビングと准君の部屋にしかない。
 ドラマを見てるのがバレると圭さんに怒られることを説明したら、今度は飽きれたように笑われた。

「じゃ、いいよ。俺の部屋で見て」


 どうにかお許しをもらってこの通り、お部屋訪問の運びとなった。
 テレビは、ベッドの足元の先の壁際にある。
 准君はテレビを見るより、ゲームで使うことが断然多いみたいだけど。

 ベッドの脇に、学習机のチェアーを移動させて座らせてもらった。
 テレビをつけるとCMが流れた。