それを見た今もなお、圭さんの仕事は正確には分からない。
それでも、うっすらと想像がついた。
言いつけを破って私は、成実さんを屋敷に招き入れた。
玄関で対面した成実さん。
実物は雑誌で見てた印象より背が高かった。
顔が小さくて、うらやましいほどのスタイル、短いスカートからのぞく脚は細い。
屋敷に上がってもらうと勝気な目で私を見下ろした。
それから無言でさっきカメラにかざしたであろう雑誌を手渡された。
受け取ると上下の向きを変えて表紙を眺めた。
それは下世話な週刊誌だった。
そのまま中のページを開くことなく、脱がれた靴を揃えると成実さんをリビングに案内した。
「私、冴島 成実。 あなた、名前は?」
成実さんにソファを勧めると、私も斜めの位置のソファに腰かけた。
「葉山 弥生です」
聞いておきながら、私の名前にはさほど興味ないみたい。
遠慮もなく部屋の中を眺めまわしてる。
それでも私が週刊誌のページをめくり出したら、成実さんは身を乗り出して目的のページを開いてくれた。
