コガレル ~恋する遺伝子~



 最後だからと多くの人達からお酌を受けて、数十分後にはかなり酔いが回ってしまった。

 最終的に私が花束を受け取ると、送別会はお開きになった。
 綾さんは二次会に行くと言う。
 私はもう限界だったし、居候の夜遊びは憚られる。
 ここで帰ることにした。

 いつもより酔ってる私を案じた杉崎課長に、
「送って行くよ」って言われた。

「大丈夫です。綾さんと一緒に二次会へどうぞ」

 そう断って二人を並ばせようとしたのに、肝心なところでフラついてしまった。
 足元が危なっかしい私を見て、綾さんは

「いいから、送ってもらいなさい」半ば強引に杉崎課長と私を駅の改札に押し込んだ。