ーードンッ
肩に衝撃が走る。
誰かと当たってしまった様だ。
「あっ、ごめんなさい、
急いでいて…」
「あ、いえ。大丈夫ですよ。」
私は本心で言う。
そう言うと、その人は笑顔になって
「許してくれてありがとう
本心でお礼を言ってもらえる
なんて思わなかったよ」
その時、私は妙な違和感を覚えた。
「あ、名前は??」
そう言って名前を聞いてくる姿は
とても可愛らしい。
クラスでも人気者なんだろう。
「えっと…山本あゆみです。」
「そっか。
あゆみちゃんね!
よろしく!」
この人は本心から言ってくれている。
私も本心で返さなければ。
「はい…!
ところでお名前は…」
名前を聞こうとしたところで遮られた
「あっ、ごめんね、
私急いでるんだった!!
じゃあね、あゆみちゃん!」
そう言いながらその人は
走り去っていく。
あれ、そういえば…
「名前聞くの忘れた…」
やっちゃった…
まあ、今度あった時でいいよね。
名札からして2年生だった。
あの性格からして人気者なんだろう。
そう思って教室へ向かった。
