「今、遥奈の顔真っ赤」
「……嘘、分かるの?」
琉惟くんエスパー……?
「分かるよ、何となく。
というか遥奈のことはお見通し」
……な訳ないか。
私が分かりやすすぎなだけ……か。
それからまたゆっくり水族館の中を回ってそろそろお昼という頃に。
「それじゃあお昼食べてから遊園地行きますかっ」
「そうしましょー!」
と、ルンルンな浮かれ気分の私に届く聞き慣れた着信音。
だが自分のでは無くて。
この着信音は琉惟くんのもの。
「あ……」
「いいよ、出て出て!」
……これは、もしかして……
「はい。月村です」
もしかする……訳ないよ。
考え過ぎだよ、私……。
でも、でもって……
マイナスな思考に引きずり込まれる。
琉惟くん……相手の表示見てこんな丁寧に電話に出るってことは……
友達じゃないってこと、なんだよね?
心拍数は上がるのに体温は指先から凍えてしまいそう。
「……今から、ですか?」
チラリ、困ったように視線を流されて私の予感はきっと的中してしまったんだと嫌でも悟る。
……予定入ったのかな。
「……ごめん、遥奈。
教授から電話あって……。
就職先のことで大事な話があるから今から大学まで来て欲しいって……」
携帯を手で軽く押さえて本当に申し訳なさそうに眉尻を下げられてしまえば……
「そ、そうだったんだ。
あたしは……大丈夫だよ?
仕方無いもん、ね……」
「遥奈……」
「気にしないで!
また会えるんだし、ね?」
……そんな頼り無い顔されちゃったら……私、何も言えないよ……琉惟くん。
我が儘言ったって……叶いっこないもん……。
「……本当、ごめん……」
もう一度謝ってくれた琉惟くんは電話相手の教授だという人に今から行きますと答えて電話を切った。
「送るよ……」
「ううん、大丈夫!
ここからなら大学……近いでしょ?」
「……でもっ」
「本当に……っ!
大丈夫だから……ね?」
……大丈夫?
そんな訳ない。



