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「よーっす、遥奈ぁ。
勉強はかどってるー?」
「繭……っ!
どしたの急に……?
ビックリしたぁ」
秋の終わり、琉惟くんと別れてから……
冬がきた。
そして……春になった。
卒業式も……終わってしまった。
1人になって、もうかれこれ3ヶ月近くになろうとしていた。
3ヶ月記念の目前で別れて、それからまた3ヶ月。
同じ時間のはずなのに、どうも時の流れは遅い。
琉惟くんのことを忘れたくないからだろうか……
「もう、勉強し過ぎなんじゃないー遥奈は。
進路決まったんだしいいじゃないー」
「……むぐ!
ちょっとー……鼻つままないでくれる?」
「また、同じ顔してるんだもん」
「……同じ、顔?」
つまんでいた鼻から手を離して繭は私の向かいに座り込む。
勉強し過ぎし過ぎっていつも心配してくれる繭。
晴天の休日である今日も家にこもって勉強している私へ繭はアポなし訪問。
「無理に……忘れようとしてる顔」
「……っそれは……」
「……はは、図星だ」
困ったように、繭は笑う。
まぁ半ばそんな感じなんですけども。
繭にもキチンと琉惟くんとのことは話した。
繭は、よく頑張ったって……褒めてくれたから私はずっと我慢していた涙を気が済むまで流し続けて。
少しだけ、今の私は前を向けている。
そんな私は将来誰かの役に立てる人間になりたくて看護師になることを決意。
冬に試験を終えて看護学校への入学権を無事に勝ち取った。
それでも気は抜けないと合格した後も勉強をしている今。
「こう、なんかさー?
パーっと遊ぼーよ!」
「はは。
繭本当に最近それしか聞いてないよー」
「笑わないでよーっ。
だってもうすぐ仕事始まるしー?
今のうちに遊べるだけ遊ばないと!!」
「あたしはパス、で」
「んもう!
ノリ悪いんだからぁー」
「はいはい、すみませんねー」



