恭輔さんは本当に心配そうな顔をして話してくれていて。
知らない所で知らなかった人にまで迷惑をかけてしまっていた……。
「言葉にしなくても分かってくれている。遥奈は何があっても変わらずにオレを好きでいてくれる」
「……琉惟くんが、ですか?」
「うん。
そう……言ってた。
でもそれは琉惟が甘えてるだけだってつい反論しちゃったんだ。
オレは部外者な訳なんだけど……」
「なんか……すみません……」
「い、いや……!
遥奈ちゃんを責めたいんじゃなくて……ね。
ただ琉惟も今はそれを反省してるみたいだし……
これで最後だと思って許してあげてくれないかな」
私は……その言葉にきっと頷くべきなのに……
もうそれは、出来ない。
「……ご、め……なさい……」
「え?」
「琉惟くん……とは……もう……無理なんです……」
「……遥奈ちゃん……」
私はもう……決めたんだ。
琉惟くんとは別れる。
今さら迷っていたら……大切なものまで巻き込んで壊してしまう。
大好きだけど……
「……遥奈ちゃん、でも……っ」
「……遥奈……?
それに恭輔も……」
「る、琉惟くん……」
あぁ、今もそうだ。
私を呼んでくれるその声に……全て奪われる。
そのまま私の好きな気持ちさえも奪い去ってくれたら別れも幾分楽になるのにな……。
「恭輔なにしてんの?」
「やだな、琉惟ってばそんな怖い顔して。
偶然会ったから少し話をしてただけ。
まぁオレはもう帰るからさ」
また、明日。
恭輔さんはそう言ってヒラリ手を振りながら帰ってしまった。
「……琉惟くん。
少し話があるの……」
その姿を見えなくなるまで見送ってから私は今日すべきことのための一声を絞り出す。
さすがに大学の出入口で話せる内容ではなかったから近くの寂れた公園のベンチに2人腰掛けてから。
緑色が褪せた木製のベンチを指先で悪戯になぞり、琉惟くんの返事を静かに待った。
「……話?」
「……うん。
あたしね……最近色々考えてた」
「なに、を……?」
「琉惟くんと初めて会った時のこと。
初めてのデートで2人とも寝坊しちゃったよね。
あとは、この前のデート」



