"怖い"って言われてしまった……
信じたくない言葉に、思わず後ろを振り返りそうになるのを必死に抑える。
「(ぇぇ! ! あれはクールビューティー的なやつじゃん。)」
よく分からないけど、林くんがそうフォローしてくれたのは聴き取れた。
「お待たせ!購買混んでてさ〜」
そこで悠里が帰ってきてしまった為、2人の会話はそこまでしか耳に入ってこなかった。
むしろここまで良かったのかも。
あの後、なんて言われてたのか聞くのが嫌だ。
まさか"読書オバケ"より、本当の自分の方が、イマイチな印象を持たれていたなんて…。
開いた口が塞がらないとは、このことだ。
それなら、
もうずっと読書オバケで良いのかもしれない。
これ以上、欲張ってはだめだ。
今後はバレないように気をつけてなくては。
そう思って、お弁当の蓋を開いた。

