「しっかし、その変なオバケとよく文通してられるなぁ……
(俺、"図書室の花子さん"なら大歓迎だけど。」
林くんが小声で最後にそう付け足す。
聞こえない振りをして、読書を続けるが、ばっちり聞こえてきた。あと林くん、その変なオバケも花子も同一人物だから。
と真後ろにいる彼に内心ツッコミを入れる。
「別に、部活応援してくれてるんだし、変な奴じゃないだろ。 」
斎藤くんは、そう言ってフォローしてくれた。
なんて優しいんだ……。
もっと好きになってしまう。
嬉しさのあまり、本を持つ手に力が入る。
その時だった。
「あと俺は、よく分かんないオバケより…
(日下部さんの方が、何考えてるか分からなくて怖いけど。」
最後に斎藤くんが小声でそう言い放ったのだ。

