そう疑問を感じていた矢先。


"読書オバケ さんへ

そういえば、もう文通を始めて1年くらいでしょうか? 聞いていませんでしたが、貴方はどんな方か気になります。
俺は、野球部2年です。
B組男子より"


とうとう聞かれてしまった。
私のこと、どのくらい話せば良いんだろう。
私は貴方のこと、"野球部2年"どころか、顔も名前も知ってます。
むしろ貴方だから文通してるんです。


" B組男子さんへ

私も同じく2年生です。本を読むのが好きで、放課後、図書室にはよく来ています。

読書オバケより"

最低限の情報のみを伝え、右端の本棚へ託す。


もし私が"読書オバケ"だってバレたら、斎藤くんはどんな反応をするんだろう。
少し気になりつつも、私にはまだその事実を打ち明ける勇気など無かった。