斎藤くんは、あれ以来も週に1度しか図書室には来ないため、

私が手紙を書き、彼が返事をする往復は、
実質、月に2回しか出来ない。

結構地道。でも、書くたび想いは募る一方で、もらった返事の内容を思い出すだけで、授業中も顔が緩んでしまう。


「それだけ続いたなら、さっさと告白すれば良いじゃん。」

お昼休み、いつものように手紙に関して惚気る私に、悠里が呆れた口調で言った。

告白……?

「駄目だって。だって、文通してる相手すら、向こうは知らないんだよ?」

私は元々、斎藤くんだって分かってるけど、彼はきっと"読書オバケ"という名前以外、文通相手については知らない。

向こうは気にしてないのかな……。