ピンポーン。配達でーす

「あ、やっと届いた!!欲しかったんだよねこの服!!」

荷物を受け取りはしゃいでいた。
私は韓国ファッションがすごく好き。
まぁ、兄の影響なんだけどね…

「お前また買ったの!?」

「え、だってすっごくかわいかったの」

「たくっ」

これが私の兄、直哉(ナオヤ)。大学二年生。
両親とは離れて、兄と二人で暮らしている。

「あ、バイト行ってくる」

「いってらっしゃーい」

兄はほとんど家に居ることがない。
いるって言えば夕ご飯ぐらいかな。

実は私の兄、来週韓国に留学するんです!!

「やっと一人だー!」

っていつもとほとんど変わらないんだけどね。

今日から新学期だ~。

私は、制服に着替え、学校に向かった。

「ななおはよ~」

「彩奈おはよ!!」

工藤彩奈(クドウ アヤナ) は中学の頃からの親友。

「なんか今日気分よくない?」

「そうっ? だって、今朝ね、ずっと欲しかった服がやっときたんだもん!!」

「も~、浮かれて~」

「へへっ」

私の通っている青木高校は、
新学期になると、クラス替えが行われる。

学校の掲示板には、クラス替えの紙が貼ってあった。

「あぁ、クラス一緒だ!!」

「本当?やった!」

運良く、彩奈と同じクラスになれた。

「キャーーーー!」

朝から黄色い声援…
私の目線の先には、上村奏斗くんがいた。

「今日も相変わらずかっこいいね」

「うん、かっこいい」

「あんなイケメンが、生徒会長って、この学校すごいわ!」

新学期早々、奏斗くんの周りにはたくさんの女子。

「みんなおはよう、元気いいね」

奏斗くんはニコッと笑って女子達に話しかけた。

「安西さん、おはよう」

「お、おはようございます」

奏斗くんが目の前にいた私に挨拶をしてくれた。

「え…!なな、今挨拶されたじゃん!!いいなぁ」

「まぁ…」

奏斗くんは、爽やかイケメン。
普段はメガネをしていて、落ち着いた雰囲気。

メガネをしている奏斗くんは
本当は目がいいらしい。

まぁ、ただの噂だけどね。


私は彩奈と一緒に、教室に向かった。