本を開き、読み始めて1時間近く経っていた。


そして、ついに読み終わった。


パタンっと本を閉じたと同時に、ガラッと教室の扉が開いた。



「あれ?芽衣じゃん!
こんな時間まで何してんの?」



朝より少し疲れが見える森くんが帰ってきた。



「本読んでたの!そしたらこんな時間になってて…」


森くんを待ってたと素直には言えない。

だから、苦し紛れに言い訳をして、エヘヘと笑った。



「そうなんだな!
…僕を待ってくれてたわけじゃないんだ…」


??
最後の方よく聞こえなかったな…



「森くん?」


「あ、いや、なんもない!
久しぶりに本屋さんよっていくか?」



!!
やった!!森くんと久しぶりの寄り道!



「うん!!」



嬉しくて私は大きく頷いた。



「ははっ!そんなに行きたかったのか!」



そう言いながら、頭をワシャワシャしてきた。



「もう!ボサボサになっちゃうじゃん!」



森くんに少し触れられるだけで、ドキドキする。



「ははっ!早く行くぞ!」



森くんはまた笑って、私を教室の扉で待ってくれた。