「なんでキスなんかしたの?」



目尻が熱くなってきた。



「それは、芽衣が好きだからだよ。」



私が好き!?
森くんが!?私のことを!?



「うそ!?
じゃあ、何でメガネ…」



「メガネ…?
あ、もしかして、あん時いたのか?」



森くんの言葉にコクリと頷いた。



「大体のやつの前では壁を作るためにメガネをかけてる。それは変わらない。」




「っ!じゃあ!私のこともっ……!」




「最後まで話聞けって。
芽衣は特別。芽衣の前でメガネをかけるのは、」




耳元に顔が近づいてきて




『理性がぶっとばないようにするため』




そう言って、離れる間際に、耳たぶを口に含み、ぺろっと舐めた。


そしてすぐに離れた。




「っ!!」



バッと耳を手で覆った。

顔に熱が集まり耳まで熱くなった。




余裕のない私とは裏腹に、森くんは舌なめずりをしながら、メガネをクイッとあげた。