ノラと呼ばれた男【弐】

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この格好で喧嘩したせいもあり、竹松先生曰く『せめて服だけ違うの着ろ』との事で、

まぁ確かに覇王のメンバーが下っ端くんたちに『白衣の男見たら連絡』なんて言う情報が回っていたら捕まるのも時間の問題なわけで。






そんなこんなで、竹松先生に連れて来られた場所はまさかの演劇部が使用している教室だった。

因みに竹松先生が演劇部顧問だそうで、




閉まっていたドアに鍵を差し込み、普段と変わらない表情で教室に入る。

一瞬、『え。入るの?いいの?』と戸惑ったものの、





結局は渋々中に入る……………………が、



「……衣装部屋?」

部屋。と言うよりはクローゼットに入った感覚で。教室を埋め尽くすほどの服が立て掛けられていて、

一番驚いたのは、服を着たマネキンだ。





その肢体を包む、控えめな青紫のワンピース。光に反射し、キラキラと装飾のアクセサリーが輝き魅惑的。

まるで絵本中のお姫様が着ていそうな代物に、思わず息を飲む





「それ、俺のイチオシ」



「うん、綺麗だね。買ったの?」



「いや、俺が作った」



「……………………………………は?」








え。まじで?と聞き返しかけたが、よく考えれば創立祭の衣装も先生が手掛けたものだ。

そう考えると、これを先生が作っても不思議ではない。……………………が、






(……………………チートすぎる)


「んー……どうすっかなぁ、もう『そっち』の顔、バレてっからなぁ



いっそ整形するか」





「え゛……先生、整形も出来んの?」





「んなわけねぇだろ」








途端、吹き出して笑う竹松先生。

あ、なんだ冗談か。と、今更ながら気付く辺り平和ボケしているのかもしれない




「『ノラ』で見て回るんだよな」



「うん、まぁ、一応」



「なら体形隠せるやつがいいな。あ、これなんかサイズLだけど」






そう言って渡されたのは黒のスーツと、白色の仮面。

なぜに仮面!?と言い掛ける前に、



「共闘してた男に顔見られてるだろ。用心には越したことないしな」




「目立ちそう、それ」




「何言ってる、今日は『祭』だしな。仮面付ける奴なんてゴロゴロいるさ」