ノラと呼ばれた男【弐】

見事なまでに全員の声がハモり、



「え。黄金色?何それすげぇ」



「ばっっっか、本っ当に単細胞!知らないの!?黄金色って言ったら、」












と、時雨に突っ込みを入れたのは藍で、

軽く目頭を押さえながら、小さく呟いた






「“ノラ”の特徴の1つ、だよ」




落とされた言葉。

誰もが知ってる“ノラ”の特徴の1つ。

真夜中に光る黄金色の瞳。それはまるで『猫』の様。神出鬼没だが、まったくの情報が掴めない事から『ノラ』と付けられた通り名は、まさに当てはまり、

喧嘩も息を乱す事なく、軽い身のこなしから一時は「本当に人間なのか!?」と言われたくらいだ





そのくらいの『差』を感じさせる男。

誰もが憧れ、敬愛し、そして畏怖する存在







「まぁまぁ、二人とも落ち着いて」



と、我に返ったらしい羽音は落とした携帯を拾いながら、再度、


「本当に佑月くんが見たのは、黄金色、だったの?


見間違いとか、カラーコンタクトの可能性も、」






あるんじゃないかな?と、言い掛けた羽音の言葉を否定したのは俺で、



「いや、カラコン付けても、あんな綺麗な目にはなんねぇと思う



それに、あいつ、」









一瞬、言うか迷ったが結局はこの昂る興奮がまだ冷めておらず。そのままの感想を口走る。


「すげぇ強かった。



俺が居なくても、…………この人数余裕だったと思う」