ノラと呼ばれた男【弐】

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【佑月side】

白衣の男と話してる最中に携帯が鳴り、通話ボタンを押して電話に出れば、聞き慣れた伊月の声。

走っているのか、微かに息が乱れていた



〈姫川さん見つかった!?〉

と、聞こえてきた声は切羽詰まっていて。それと同時に、電話越しから聞こえてくる複数の足音

「やべ、忘れてた」


〈はぁ!?忘れっ、…………って、今どこ?〉


「職員用トイレの近く。姫川とすれ違ったっぽい」








思い出すのは、白衣を着た男の台詞




“知らね。行き違いにでもなったんじゃね“


て事は、既にロッカーから離れ、教室に戻っている可能性も少なくはない。

〈それ誰情報?〉



「名前は知らねぇけど、信用できる男から聞いた。姫川の事見てねぇって」


少し行った先がロッカーで、さっきの交戦前に姫川が用事を済ませ、ロッカーから離れていたなら……

間違いなく無事だ




〈あ、待って着いた〉


と、一言、伊月が発した後、電話が切れ

正面を見やれば、走ってくる伊月と覇王メンバー。全員顔色は悪く、




「うわっ、この死体全部お前が殺ったのかよ!?」



「お疲れ様、それより姫川さんは?」



「姫と合流できなかったの?」










と、様々な反応を見せる中、

無言を通していた迅の携帯にメールが入った様で、



「一華、担任と一緒にいるみたいだ」


と、見せられたメール文には「たまたま廊下で竹松先生と会ったから、少ししてから教室に戻るね!」といった内容が書かれていた。

瞬間、巻き込まれていなかった事に全員が安堵し、息を吐く






「悪いな、俺が合流出来てたら良かったんだけど“これ”に捕まっちまってよ」



息を吐き、肩を竦めて床に転がる男らを見やり。ふと、思い出す。

あ、そだコイツらに紹介しとくか、










と、後ろを振り返れば……………………



「―――――――――――――――は?……え?…………あれ?どこ行ったアイツ」