ノラと呼ばれた男【弐】














仲間裏切る奴って嫌いなんだわ





と、言い終わるのとほぼ同時に、

俺の屈んでいた真横から、すっと長い足が横切り。そのまま佑月が手加減なしに、男の頭を廊下に押し付けた。




と言うか踏みつけた。

その際、痛々しい(相手側から)音が鳴ったのは言うまでもなく



顔を覗けば、踏まれた男は既に気絶していた。コンクリ作りの廊下、半端ねぇ








「えげつねぇなぁ、佑月」



「は。お前も似たようなもんだろ」




いや。全然違うだろ?まだ俺、踏んでねぇ←




「取り合えず、“あいつら”と合流しねぇとな」



「あいつら?」



「嗚呼、俺の仲間。あ。そだ、お前も一緒に――――――――――――」










と、佑月が口を開き、何かを言い掛けた


……………………………………が、

携帯の着信音が邪魔をする。




(あ。この曲、テレビでやってる『3分クッキン○』の音楽か



………………まさかのチョイス)






思わず吹き出した俺。

だが、電話をしている佑月はそれに気付いておらず、背を向けて何かを話していた。相手は間違いなく伊月だ

きっと、こっちに向かってるはず

少なからず“此処”に見慣れたメンバーも揃うだろう。








だが、その前に…………………………



(着替えねぇとな、)


視界に映るのは、いつもの学校指定のスカートではなく。男物の白衣

“問いただしてみるか?”とは言ったが







…………………………ごめんな、




今は“まだ”その時じゃねぇ


そっ、と足音を消し。気配を消して、一歩、また一歩と佑月から離れ。

死角になる場所へと身体を滑り込ませて、息を潜めた――――――――――――