ノラと呼ばれた男【弐】

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【佑月side】



やべぇ。伊月に姫川がどこに向かったのか詳しく聞いてなかった、と気付くが、

一階に付けば直ぐに、誰かと揉めているのか罵声が聞こえてきた。その方角に姫川が居ないかを確認したくて角を曲がれば……





視野に一瞬だけ入ってきた“異物”

それが“何”かを認識する前に、





咄嗟に避けたそれは、えげつない音を立てて壁にぶち当たる。


その異物が“人”だと認識したのは、数秒後。軽々と男を投げ飛ばした一人の男が盛大に舌打ちしたことで我に帰った

つか。………………は?何この光景




一人の男を囲むようにして、バットを振り回す野郎共。前後問わずの攻撃。

一見、不利なケンカでしかない“それ”

だが、男らの攻撃1つ当たる事がない






後ろにもコイツ目があるんじゃねぇの


なんてマジで思えてしまう。

動きに無駄はなく、尚且つ的確に急所をついていく男。そんな男が発したのは、











「お前、佑月か」

疑問形ではなく確信した声で呼ぶ、








――――――――――――――俺の名前