ノラと呼ばれた男【弐】

まったくもって見知らぬ顔面を見て、言葉を発しなかったのではなく、





奴の発した“声”だった

正直、顔より先に声を覚える俺はその声を聞いてすぐに分かった




「お前、佑月か」


仮面の下は、そんな顔してたのかと納得。態度も充分ふてぶてしかったが、

顔面もふてぶて(事故規制)…………いや。なんと言うか、とある「森の熊さん」に出てきそうなフェイスをお持ちだ






可愛さを求めるなら皆無である


「あ゛?…………お前、誰」





と、問われ。「ノラでーす」なんて呑気な自己紹介は“相手方”がさせるはずもなく、

今がチャンスだと言わんばかりに襲いかかってくる男共。さっきより人が増えてる気がするのは、間違いなく気のせいではない




チッ……誰か仲間呼びやがったか


「話は後だ、お前闘えっか?」



「お、おう、……流石に話す暇ねぇか




んで、お前は俺の味方、って認識でいいんだよな」






と、少しばかり怪訝な顔をする佑月

そりゃそうか。白衣着た痛い男が、佑月に向かって一人の男を投げ飛ばしたのが、ついさっきだ



「信じろ」なんて言葉ほど、胡散臭くなるのは明白で、

咄嗟に出た言葉は、






「さぁな、ま、知りたかったら“これ”片付けてから問いただしてみてもいいんだぜ?」