ノラと呼ばれた男【弐】

黎明高校では喧嘩なんて日常茶飯事で、

呆れながら三回の窓から体を乗り出した






位置的に言えば向かい側、1階の廊下で、複数の男らがバッドを振り回している。それが『異常』だと認識したのは、奴等が纏う殺気と、一般人に対しても暴力を振るっていたからで、

少なからず、覇王と乱鬼が無関係の生徒に暴力を振るうはずもなく、








行着く先は………………嫌な予感













(まさか………………リュウ?)


嫌な汗が背中を伝う。

ドクドクと音を立てるのが自分の心臓だと理解出来たのは、背後から声を掛けられた時だった




「あ、いたいた、なんかさぁ下煩くね?」


と、当たり前の様に俺の横に肩を並べる佑月。少しだけ疲れた顔をしているのは、背に大きな看板を背負って、校内を歩きながら宣伝していたからだと思えた



「って、おい、顔色悪いぞ?」



「っ、、、」



訝しげに見てくる佑月と視線が合い、いつの間にか止まっていた息を吐く

まるで時間が止まっていたかの様な感覚






(ちょっと待て………………1階には、)



たらりと流れる冷や汗。

つい先程まで談笑していた相手-姫川が脳裏を過った。














姫川さんっっっっ!!!!