ノラと呼ばれた男【弐】

【伊月side】

俺には、俺達は大きな問題を抱えていた
人間爆弾。とも言えるあの男の処分。
放置したせいで悪化した覇王との距離。いつの間にか『乱鬼は覇王と敵対している』という最悪な状況が出来上がっていた

そんな中、知り合ったのが一人の女の子

一般人の中で、覇王に一番近い存在。
何も知らず、汚れも、闇も知らなさそうな彼女の名は姫川 一華




そんな彼女は、俺より1つ下で、

一年生。ついでに言うとSクラス。
女子生徒がSクラスに入るのは、過去、一度もなく。誰もが『前代未聞だ』と思った事だろう









だが、俺は……………………、



寧ろ、彼女がSクラスに入った事、

違和感なく納得できた











何故なら……………………………………、





『うわあああああああああああっ!!』




『きゃあああああああ!?』


ほぼ強制的に意識を戻されたのは、つい先程姫川さんと別れてすぐで、

悲鳴と共にガラスが派手に割られる音が耳に入った。






(また喧嘩…………?)