ノラと呼ばれた男【弐】

いらない。と言われた日

私の全てを拒絶された日




怒りとか悲しみとか、そんなものは不思議と湧いて来なかった

ただただ、いらないなら…………

手放すくらいなら…………、








最後にその手で殺してほしかった



別に死にたいわけじゃない。でも、私を手にかけてくれる瞬間は……

私に触れるでしょ?
もしかしたら視線が合うかもしれないでしょ?








一度でいいから「私」を見てほしかった、

















娘、として。




「一華さん」

不意に掛けられた声。無理矢理戻された現実

眉をしかめれば、対照的な蛇の笑顔

まるで見透かされているような感覚




「ん?」



「貴女は危なっかしいですね」



「どーいう意味」



「そのままの意味、ですよ」


と、意味有りげに笑うから。私の眉間の皺が深くなる

そんな私を見て、「皺、増えますよ」なんて言いやがる蛇様は相変わらずのマイペースさで、会話の主導権すら与えてくれない




「そー言えば……この家、何も無いんですね」


脈絡なく話す蛇-黄島 塁
ぜっっっったいコイツ、O 型だ
会話の脈絡がなく、頭の中で話が勝手に進んでて、主語は「あれ」「それ」の典型的タイプ←失礼


「引っ越して来たばかりの家、みたいな」



「引っ越して来たばっかだし」




「嗚呼、成る程。だから家具とか日常生活品等が少ないんですね」







と、納得する黄島 塁。

話の意図が読めず、私は首を傾げたが、








「持ってきて良かったです、傘」



落とされた一言で、私の目が点になる




「まさか…………私に、傘………………持ってきてくれた、とか?」


ふと、思い出す二本の傘

なんでコイツは傘を二本持ってんだ?とは思ったものの聞く気になれず←オイ

突っ込みせずにスルーしてたんだけど、






「今日は学校ですよ、一華さん」




「え?嗚呼……そー、だね?」




「濡れて風邪でも引いたら大変ですから」










あ、…………アンタは何キャラ狙ってんの!!!???←