ノラと呼ばれた男【弐】

「ねぇ時雨…………無理しなくていいんだよ」



今はあの、意地悪な笑みも、不機嫌な顔もしてくれない。ただ辛そうに寝てる時雨。

呼吸も、心なしか乱れている気がして、

聞こえていない時雨の頭を撫でながら、囁いた。





「いつでも力になるから」


もし、今、夢を見ているなら、

もし、今、辛い夢を見ているのなら、






少しでも私の体温が、
少しでも私の声が、



夢の中でもいい



伝わればいいな、なんて……そんな思いで頭を撫でた。

場近いかもしれないけど本当、綺麗な髪

炎のように燃え上がるのを連想させる赤

情熱的な色の赤は少しばかり懐かしい




私が『ノラ』の時、この髪色でよく動いてた。まぁ、ちょくちょく髪色は変えていたけど一番、赤色が長かった気がする


だからかな…………なんか時雨って放って置けないんだよね







私にはね、居たんだ。


私が苦しい時、頭を撫でてくれる人










だから時雨に‘’そんな人‘’が現れるまでは……………………、



私が居るよ。辛いとき、

苦しい時も、側にいる。














「時雨は一人じゃないよ、」