ノラと呼ばれた男【弐】

その時、ふと、何気に視線を向ければ、

姫川 一華はどこか……此処でない、どこか遠くを見ていて、

虚ろな目は、俺を移さない







まるで、「此処にも自分の居場所はない」そんな顔

普段の俺なら「面倒事はお断り」の俺だが……、きっとその時、魔が差した。のかもしれない



野郎だと思ってほぼ無理矢理引き摺れてきた女

その女が「噂の奴」で、

今にも、闇と言う名の深海に溺れているような奴を前にして、







俺が落とした台詞は、突き放す言葉ではなく、


『まじか、女であんだけ強ければ勿体ねぇなぁオイ』





『急所とか教えたら、もっと強くなるだろーな』





『お前さ、‘’男‘’として喧嘩してみねぇ?』












突き放すどころか真逆の言葉。

魔が差した、が、ぶっちゃけた話、後悔はしていない。後悔するような選択は最初からするつもりもなく、

ただ気付けば口走っていた事に、ただただ他人事の様に内心では驚いていた












けれど顔に出すのは嫌で、ニヒルな笑みを浮かべ、





















『四龍王へ、ようこそ……一華』