ノラと呼ばれた男【弐】


息を飲む。

――――――…これ、何。

なんて、気軽に聞いていいのか、







一瞬、迷った。


「……悪い、今の忘れろ」

ぐしゃり、と普段と変わらない仕草で頭を撫でる。

そう、いつもと変わらない仕草、なのに





何故か、…………辛そうに見えた。




今、目の前にいるのに。
不思議と、時雨との心の距離を感じた。

それは、ただの気のせいかもしれない、






それでも…………………………、


今、見たことを‘’無かった‘’事にはしたくなかった―――――――――……














「時雨、私――――――――――……」