ノラと呼ばれた男【弐】


「何飲む?」



「え、……いいの!?」










びっくりして、聞き返せば、まさかのどや顔で…………、


「いんじゃね?迅の金だし」



「うっわ、最低」


思わず笑ってしまった私。

そんな私に、時雨は「うるせぇなぁ、あ、これでいいよな」なんて言いながら、勝手に決め、

自販機のボタンを押した、





上から下に、飲み物が落ちてくる音って、皆、一度は聞いた事あると思うけど、


ガタガタッ…………ガコッガッ、……ガタンッ


なんて激しい音を立てる自販機は初めてだ……………………、





(ヤバイ、…………音がヤバイ……壊れる前なんじゃ、)


てか、間違いなく、これ、炭酸とか買ったらダメな奴だ。落ちてくる時も、自販機内で何かにぶつかる音がした。

うっかり買って、炭酸を飲もうもんなら






………………って、あれ?


時雨、さっきコーラ買ってたような

そう思い、時雨に視線を移せば…………、








まさに、買った‘’ソレ‘’を開ける瞬間で、


――――――――…あ、やばい

やたらスローに見えた一部始終。
私が止める間もなく……………………、









――――――……ブッシュッッッッ!!




「!!!???」

勢いよく、時雨に向かって噴射した。

「~~~つっめてぇ~~~~……」



「だ、……大丈夫?」









こう言う時に思う。

女子力あったら、すぐにタオルとか渡せるのに持ってすらいないって、

どんだけだよ私。



「くっそ服濡れた」




「取り合えず、服、脱ごっ」





特に何も考える事なく、時雨の洋服に手の伸ばす私。瞬間、何故か焦り出す時雨


「おい、……待て、ちょっと待っ、」






ボタンを外し、露になった身体。

思っていた以上に、筋肉があり、がっしりとした体つき。



もう、何、今更テレちゃって♪

なんて、ふざけた口調で言いかけた私が、言葉に出来なかったのは……
















右腹に深く刻まれた跡が視野に入ったからだ