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塁が私の家にやって来て、早くも1日が過ぎていた。

異性と共同生活?と普通なら思うのだろうが、残念ながら既に「普通」の感覚がズレている私にとって、なんの問題もなく

寧ろ、ただで私の世話を焼いてくれる塁に感謝する始末




朝、起きれば当たり前の様に朝食が置かれていて。一緒にご飯を食べ、

その皿洗いすらもしてくれる。




塁が店で売られているなら、家に1台は欲しいくらいだ。塁様感謝

最近の認識では、母ではなく。どちらかと言えば世話焼きの…………祖母←

なんて思っても口にはしませんが



「んじゃ、行ってくるね」



「あ、待って一華さん。弁当忘れてますよ」


玄関前にて、スリッパを履いたまま慌ただしく駆けてくる塁

その右手には弁当袋が握られていた



「ありがと」



「ふふ、いえいえ。学校、いってらっしゃい」








穏やかな笑顔に頷き、私は「行ってきます」と呟く。

正直、「行ってきます」とか「いってらっしゃい」なんて言いなれてないし、言われ慣れてないから反応に困る。



が、人とは順応も早く←

昨日よりぎこちなさは少ない、と思う













と、内心で呟きながら、



家を後にした――――――――――――――……