キョトン、と目を丸くする一華。
昔はこんな表情すらしなかったのに、
変わったもんだ……、
嬉しい、と思う半面、少し寂しいと思うのは一華の親代わりをしていたからだろうか……
それとも………………………………、
「えっ、…………でも、」
「普通の‘’一華‘’で居たいんだろ、アイツらの前では」
意地悪く聞いたのに、迷いなく真っ直ぐに頷かれては苦笑するしかない
「アイツらも、お前に会いたがってる」
「そう、……かな」
「それに‘’イチ‘’は此処の生徒じゃねぇ設定だろ?」
嗚呼、本当、俺って狡い奴だな。
側を離れてほしくない奴の手を、自分で放そうとしてる。
きっと、自分が思っている以上に……他の奴等に嫉妬するかもしれない。
それでも見てみたいんだ
こいつが成長していく姿を。
(やっぱ俺、親馬鹿かなー、年かな)
「うんっ!私……行ってくる」
「おう、行ってこい。それと、」
教室を出ようした一華に、思わず笑みを溢し、
人差し指を上に立て、
「上、見とけよ。綺麗だから」
意味は後でのお楽しみ。
頭に「?」を浮かべながら「分かった!」と言い残し、軽快な足取りで一華は教室を出ていった。
「優しいね、搖」
「はっ、……んなわけ」
「今の顔、写真撮って見せようか」
「はぁ?いらねぇよ、どんな、面してんの俺」
「娘を嫁に出す父親、みたいな顔」


