ノラと呼ばれた男【弐】

「あっ!ハニーいらっしゃい!運命の再会だねっ」



「あー、はいはいそうだねー」



引っ付く虫ってなんだっけ、

あ、引っ付き虫か!と、思わず引っ付き虫の如く引っ付いてくる搖を手で剥がしながら、



「えっ、なんか扱い雑っ!?ハニーがつーめーたーいー」


横で文句を言う搖を軽く流しながら、




私を呼んだ竹松先生へと視線を移す。

こんなやり取りを微笑ましく見ていた………………筈もなく、




やはり、どこか眠そうな表情のまま、

自身の後方に親指のみを指す。






そこには、最初部屋で「俺のイチオシ」と、ドヤ顔で話していた、あの綺麗な青紫のワンピース。

顔のパーツすら描かれていないマネキンが綺麗に見えるのは間違いなく、このワンピース効果で、



「着替えろ、それに」

欲を言うなら着てみたいな、なんて………………って、……はい?








え、ごめん、何て仰られましたか