ノラと呼ばれた男【弐】








「ふっ、…………楽しかったか」



と、脈絡のない質問に「?」を浮かべたのは僕以外で、

まるで僕には…………………………、





イチと話せて楽しかったか、


と、聞かれている気がした。

勿論、僕がイチを追って抜けたのは誰も知らない筈だ。






(……んとに、この人には敵わないなぁ)

全てを見透かされている感覚。
けれど不思議と不快感はなく、
寧ろ安堵するのは……………………、




迅が持つカリスマ性なのかもしれない



「…………ノーコメントです、


そ、……それより、………………後少しの御祭、……………………楽しみましょう」







時刻は夕方の5時。

後30分で創立際も終る時間。

名残惜しいが、まだ終わりでない。





今、来店されてるお客を笑顔で送り出してこそ。無事に今日を終えた、と言えるだろう

だから邪魔してくれるなよ、壽

毒付きたくなる一方、口元は上げたまま








クラスメートが知る「田中」を演じきる