ノラと呼ばれた男【弐】

「核心したのは姫川さんのケータイだったんだけどね」


「携帯…………?」


「全く同じ機種、同じ待ち受けなんてそうそういないでしょ?」














と、言われてみれば確かにそうだ。

「それに、身長とか、手の大きさとかも同じだし………………後、匂いもね」




んー。っと、気持ち良さそうに伸びをする田中くん。

私の知ってる田中くんとは別人みたいで、



「隠したいなら、持ち物から気を付けないと……すぐバレちゃうよ?」



この状況を人一倍、楽しんでいる気がした




「ま、気づいたのは僕だけじゃないと思うけど」




「?」


ま、僕には関係ないし。なんて意地悪な台詞を吐き、然も用は済んだ。と、言いたげに背を向けて歩き出す。

は…………?え?…………それだけ!?

なんか、もっと追及とかしないの、




てゆーか、ちょっ、、、、!!!

今、そのまま帰られたら非常に困るのは明白だ。今、目の前にいるのは普段、よく知っている田中であっても……、

ほぼ違うと言えるわけで、

つまり、何が言いたいかと言うと、






「…………何、もう僕、教室に帰りたいんだけど」


咄嗟に掴んだ服の裾。
かなり引っ張ってしまったせいか、嫌な顔して振り返る田中。

心なしか言葉に棘がある


「嗚呼、もしかして心配してる?」





僕が皆に、イチは姫川さんだってバラすとか。と、おもちゃを見つけた子供の様な無邪気さで言い放つ。

こんっの、二重人格者めっ!

なんて人の事言えませんけどね!?←八つ当たり



「はぁ……心配するのも無駄だよ」



「…」



「僕は君らに本来‘’深入り‘’することを許されてないからね」




と、告げられた。

言われた意味が分からず、呆けた顔をしてしまった自覚はある……が、

「顔、ブサイク」



余計なお世話だ馬鹿野郎←

「ま、今後、着替えたりすんなら‘’そこ‘’は本当にお勧め


教室から離れてるし、使う生徒居ないしね」