ノラと呼ばれた男【弐】

メールはバイブ音で2回鳴る。
が、只今、バイブ音三回目。

つまり電話、なんだけど………………




スマホ画面を見て焦る。

そこに乗っている名は…………竹松、だ






周りに見られないように、スマホを手で隠したが………………、出れる訳ない


だって今の状況は、私の後ろに田中、
右に迅、左に羽音、前に時雨、斜め前に藍が座っている。

ついでに言えば田中くんだけ立っている状況。






ここで電話に出るのは妥当じゃない、気がする。

いや、出てもいいの……か?

まぁ、遠い親戚って設定にはなってるけど、







と、一人、混乱する中、


「あのっ、……えとっ、……………………教室出て、突き当たりを右に曲がったら、……お、っ、お手洗いがあるので、


そこを僕、お勧めしますっ、」





と、吃りながら教えてくれる田中くん

あ。そっか、電話で場所を離れる。なんて、普通に皆するよね!ね?



「あ、うんっ、ありがとっ」

かなり取り乱しちゃったけど、大丈夫だよね?てゆーか、田中くんの位置から私の携帯見えてたんじゃ……、

などと考えながら、「ごめん、ちょっと席外すね」と伝え、






真後ろにいた田中くんを見やった。


彼の印象は、いつもボブ頭で、
長い前髪が素顔を隠している、気の弱い男の子……って、ずっと思っていた、

うんん、思い込まされていたのかも、















振り返った際に、田中くんと私は目があった、


そう‘’目があった‘’のだ

普段前髪で隠れている瞳が、一瞬だけ、











此方を覗く――――――――――――…