ノラと呼ばれた男【弐】

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教室に戻ると、少しばかり不機嫌な時雨と藍と、苦笑ぎみの羽音が出迎えてくれた。


「二人ともおっそぉい!!!首が長くなったじゃんっ」



「待たせ過ぎだ馬鹿、腹減った」



「遅かったね、おかえり」










などなど、藍、時雨、羽音の順で口を開く中、

私はお土産のたこ焼きを1つ、時雨に渡す。意外と中には、これでもか!ってくらいにたこ焼きが詰められていたから、2パックあれば足りるよね!







なんて思ってた私が馬鹿でした。

藍の胃袋、ブラックホール並みだったわ

「ええええええ、2パックじゃ足らなくない?あ、そだ、さっきねお客さんたちから菓子パンも貰ったよぉ!」


そう言って、どこから出したかの分からない……パンの詰まった、レジ袋。

今にも下が破けそう←



「つか、迅、食ってねぇだろ、ほら」






未開封だったたこ焼きを時雨が乱暴にも、迅の口に押し込む様に、

何故か周りに居た女性客らがザワつく

ところどころ「萌える」「やばい、幸せ」「迅さん×時雨さん」なんて台詞が聞こえた気がした。




女子って怖い(笑)


「じゃあ、入れ替わりになるけど迅一人で接客大丈夫?」



「嗚呼、大丈夫だ」







なんて言った迅は、今だ時雨に詰め込まれたたこ焼きを頬張っている。

例えで言うなら、栗鼠みたい
(頬袋が張ってもぐもぐしてる様はまさにソレ)



「あ、…………あのっ、、、




良かったら、…………僕の、さっ、………………サポートで、迅さん入りませんかっ?」



と、不意に提案したのは背後を偶然にも通り掛かった田中くんで、

緊張しているのか頬が赤くなる。





「あ、それいいね。ね?迅」



「あ?……あー…………だな、頼むわ田中」




ふと、何かを考える素振りを見せたものの、素直に頷く迅。

ちょっと微笑ましくて、思わず口角が上がる中、












ポケットに入れていた携帯が鳴る。

音楽ではなく、バイブ音。