ノラと呼ばれた男【弐】

迅が覇王の総長として、この先……

どんな道を選んで歩いていくのか、







きっと、それは私にとって……贅沢過ぎるほどの願いだ、

「ほら、さっさ戻りぃや

ここで突っ立っとたら営業妨害やでぇ」

そんな意地悪な台詞で我に返れば、男は私を視線で捕らえたまま八重歯を見せ、満面の笑みで……………………、




「あ、そや。わい、白須(シラス)言うねん、また合ったら話そうなぁ」


と、告げられる。

一度軽く頭を下げ、迅を見やれば私と同様に頭を下げていた。

その後、本当に休憩時間が終る1~2分前だと気付いた私と迅は後ろ髪を引かれるような形で、その場を後にした――――――――――――




「ねぇ迅さん、」



「ん?」




「もしかして迅さん、さっきの人……知り合い?」




上手くは言えないが、迅は「白須」を知っているような口ぶりで、

けれど間違いなく、白須は「迅」に対して初対面みたいな対応だった。




だから、なんとなくの疑問を教室に向かう道すがら聞いてみたのだが、

やはり人間が抱いた第一印象は当たるもので、



「嗚呼……、白須さんは有名でな

この学校を3年前くらいに卒業してる人で、」



「え?……でも…………歳が合わないんじゃ、」



「ダブってるんだと。問題起こすトラブルメーカー、なんて呼ばれてたらしいぞ」





嗚呼、成る程、納得。

搖と同じ匂いがするからなぁ、やっぱ「トラブルメーカー」なんていう付けられても嬉しくないあだ名まで一緒だったらしい

もしかして二人って息が合うんじゃ…