さっきまでの人懐こい笑顔は消え、

すっ、と瞳が細められた今、無意識にも息を飲んだのは私だったか、迅だったか

それすらも確認する余裕はなく、





ただ、頭の隅で危険信号が鳴る――――







この男には……………………、



関わってはいけない、と。

なぜなら……………………同じ匂いを纏っているからだ――――――――――





「兄ちゃんが覇王の頭、やろ?」

一瞬、自分に視線が注がれるものの、すぐに逸れて迅へと移る。

何事も無かったかの様に、

「ああ、」



「なら1つ言わしてもらうわ













めっちゃファンやけん、サインください!!」









瞬間、目が点になったのは迅一人で、

私は軽く目頭を押さえて息を吐く。




人一倍、情があり、

よく笑い、よく怒り、変なところでスイッチが入る馬鹿……いや、

馬鹿、は、失礼か。










なんとなく、アイツと同じ匂いがしたんだ。





私を拾った時の……………………搖と