ノラと呼ばれた男【弐】

嬉しくて、思わず長蛇の列を指差せば、
あからさまに迅の顔が引きつった。

嗚呼、すごいな、かなり待ちそう。と迅の顔が語っている←

「…………待ち時間30分か、繁盛してるんだな」




ふと、そう溢したのは迅で。
出店の横に立て掛けられた板には『待ち時間最後尾30分!』と書かれている

たこ焼きに30分、か

「やっぱり他いこ?迅さん疲れてるのに、」



「いや、いい。待つか」




「え、…………待つの!?」











なんか、もう、この人だかりで気圧されたのは自分だけなのか、

いつもと変わらない表情で迅が最後尾へと並ぶ。……控えめに言って、かなりシュールな光景で、



「食いたいもん食ってけよ、せっかくの祭りだ」



無愛想なまま、両手をポケットに突っ込みそう告げる迅さん。

まぁ、確かにたこ焼き食べたいけど、

なんと言うか………………、





「ごめんね、」



「あ?」



「いや、ほら、…………疲れてるのに」









確かに食べたい、とは言ったけど…………まさかこんなに並んでるなんて思ってなかったし、

それに迅、疲れた顔してたのに、



「いや、俺も丁度食いたかった


最近は味付けも色々あってな、チョコ味はお勧めだな。主食としても菓子としても楽しめる」



「は!?チョコ!?いや、それは……ちょっと」




「ふっ、……ま、普通なら醤油かソースだけどな」



てゆーかチョコに挑戦したのか、迅は
いやいやいや、店の人がびっくりだよ厳つい兄ちゃんがチョコ味たこ焼き食べてたら色んな意味で失神しちゃうわっ

あ、でも、ケーキ味の焼きそばは嵌まったなぁ。めちゃ甘くて、





例えで言うなら、焼きそば食べながらケーキ食べてるような、なの感覚。笑


「僕は醤油派かなぁ」


「嗚呼、胃もたれ感が半端ないもんな」


「それ言ったらチョコも同じだってば」