ノラと呼ばれた男【弐】

「ふふ、何それ。もしかしてお腹空いてる?迅さん、今、お昼休憩でしょ」



「嗚呼、一応昼休憩だ」



「ならさ、出店!行かない?」








そんな提案に、一瞬、考える素振りをしたものの。首を立てに振ってくれて、

思わず笑む自分。

実はかなり見て回りたかった。なんて我が儘は思っても言わないが、ずっと同じ教室に居るとただただ飽きてしまう




そりゃあ皆が働いてる姿とか見れて、かなり癒されはしたが……それとこれとは別、というか………………せっかくのお祭りだよ!?はしゃがなくてどうする!

「えええええええええ!!!イチと迅、ご飯食べ行くのぉ!?いいなぁ~」



「こら、藍は接客すんでないでしょ」



「差し入れ宜しく、何でも食えるから適当に選んできてくんね?」





そんな会話を聞いてか、直ぐ様、駆け寄って来たのは藍で。その後ろを、羽音と時雨が歩いてやって来る。

欲を言うなら…………………………、



「皆と周りたかったな、」










なんて、小さく、無意識にも呟いた一言。慌てて口を閉ざすが、

皆には聞こえていなかった様で、そっと息を吐く。




『気を付けて行ってきてねー!』

と、明るく元気な藍の声に送り出され私たちは教室を後にした―――――――――――――……