ノラと呼ばれた男【弐】

◆◆◆
【イチside】


少し時間があった為、久々にサイト。と言うものを開き携帯を弄っていた。

何を見る、とか、そんな目的はなくただ最初に売った『あ』の字で出てきた『Arus 』と言う言葉。

暇潰しに、それを開けばきらびやかな衣装に身を包み、立つ二人の男。




俗に言う【イケメン】という人種に含まれるだろう、顔面偏差値。

どうやら、このサイトは彼等の【公式サイト】らしい。そしてまた、今、巷を騒がせているアイドルだと知ったのは、


『生良くん、新曲まぢイケボ!』


『ポスターかったよ!私は優乃くん推しー!!』


『一生付いていくからね(ハート)』






すぐで、

うわぁ。一生関わらない人種だな、なんて思いながらそれらを眺めていた。

「興味あるのか、アイドル」



と、不意に話しかけて来たのは言うまでもなく、



「迅、くん。うんん、暇潰し

そっちは片付いたの?」



少しばかり疲労が見え隠れする迅で。
私の前に、どかりと椅子に腰を下ろし、さも自分は此処の客だと言わんばかりに、

「カフェラテ1つ」

たまたま横を通りかかった田中くんに注文をしやがる迅様。相変わらずマイペースは崩れず、いや……違うな、天然くん、なのかな?




「あっ、はいっ!……って、迅さん戻られてたんですね!?

お疲れさまです、少し待ってて下さいね、直ぐ持ってきますから」



「ん、ありがとな」


ふわりと目元を和らげ、笑む姿は無駄に格好いい。そのせいか逃げるように立ち去った田中くんの顔は……真っ赤で、

思わず私は噴き出した。



「どうかしたか?」



「いやいや、別に?ただ、」



「ただ?」