ノラと呼ばれた男【弐】

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【迅side】

つい先程、とは言っても一時間以上は立っているが校内で騒ぎを起こした輩の後処理に負われていた。

因みに廊下で延びていた奴等は教師に引き渡し、ついでにそいつらの仲間が居ないか見回り件、ノラ情報収集を行っている。が、ノラの件は情報ゼロ。

手がかり1つ見つからず、気付けば3時過ぎ。







(………………1度、教室に戻るか)


そう思い、来た道を戻る。

いつも側にいる賑やかな奴等がいないせいで、やたら『静か』さを感じ、苦笑した。

そう言えばなんだかんだで一緒にいるからな。





気付けば当たり前の様に、不機嫌面した時雨と、いつも時雨にちょっかいをかける藍と、宥め役の羽音。

そして楽しそうに笑う…………姫川一華



最初は一華と、距離を測っていたアイツらも……いつの間にか距離が縮まり、

一華がいることイコール生活の一部になりつつある。





大切な奴がまた一人増えた事。

それは凄く嬉しい筈なのに、素直に喜べないのは………………





奪われる感覚を、全員が慣れてしまったからだろう。

藍も、時雨も、羽音も、そして…………





俺も。