ノラと呼ばれた男【弐】

ねぇ、それって、





どういう意味……………………………?

そう問う前に、

「羽音さん指名入りましたぁ!!!」



指名と言う名の時間切れ。

聞きそびれた自分に、羽音は穏やかな笑みを向け、



「ふふっ、じゃあ、また後でね」



「あ、うん」



「それと、もう少ししたらお昼休憩に誰かしら入るから一緒に回っておいで?」









と、囁かれ、条件反射で頷いた。

…………………………………………が、





脳内では全く別の事を考えていた。

思い出すのは、先程の羽音の言葉





―――――… 『その子』は一人しか居ないから、



きっと抜け駆けしたら怒られるかもね、皆に







つまり、それは皆が同じ人を思ってる

と言う事になる、




(…………護衛対象、変えるべきかな)

皆が大切な人=壽が狙う相手。にもなる。
可能性的には低くはない、が、

皆に大切な女の子…………いたのか、





何故か、胸の辺りがもやもやして、思わず顔を顰め、

そっと、小さく息を吐く。